[戯言日記]起きているような寝ているような

日記

5月5日(水)

 ぼんやりとした一日を過ごした。わたしの住んでいる地域では台風並みの暴風が吹き荒れ、気温もあまり上がらず、GWだというのに日中から暖房をつけた。この時期でも夜間は冷えるので暖房をつけることはあるけれど、さすがに昼間から暖房が必要なのは珍しい。

 特に外出の予定もなく、部屋で本を読んでいた。ベッドに腰かけてサイドテーブルを引き寄せ、そこに未読の本を積み上げて読み始める。足元が冷えるので足を上げ、ベッドの上に胡坐をかく。じっとしていることで寒さがしみてきて、肩に布団をかける。寒いなあと言いながらコーヒーをすすり、ついには横になってしまう。横になった状態で布団をかぶり、本を読み進める。いつの間にか寝入ってしまう。ぼんやりと目を開けてはわずかに読み進み、そのまま微睡む。起きているような寝ているような状態のまま読んでいるような読んでいないような本に視線を走らせる。半分眠った脳に情報が送られ、送られたそばから睡眠時の情報整理にかけられる。理解しないまま再構成されていく情報はなんだか得体のしれないものと化す。

 ひたすら心地よい。布団が心地よいのは、そのぬくもりが自分の体温によるからだろう。自分の体温で温められた布団によって自分が保温される。その心地よさの中で読むともなしに文字に目を走らせる。意識が戻ってきてページに目をやると、もはやどこまで読んだのかも定かではない。少し読んでみると、どこも既に読んだようなまだ読んだことがないような気がする。そのまま適当に読み始め、また意識が微睡みに飲み込まれていく。

 そんな具合に日中を過ごし、夜には気の合う人々とオンライン雑談会を行った。このオンライン雑談会は定期的に行っているもので、特にテーマも決めず、ルールも決めず、純粋に雑談をするだけのものなのだけれど、ブレインストーミング的な効果がある。打てば響く仲間との会話は刺激と癒しという一見相対するものを同時にもたらすような感覚がある。

 日中の微睡みで液状化した脳みそが酒を飲んで発酵し、雑談によって蒸留されたような気がする。結果なにがもたらされたのかはよくわからないが、なにか面白いことにつながるだろうという無闇な確信がある。

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