RainyChannel 連動 文章読本紹介 その8

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 スタエフ連動企画「文章読本紹介、の紹介」の第八回。当該スタエフはこちら。

 今回紹介する本はこちら。

 これは知る人ぞ知る名著で、日本語文法の本としては有名な本です。1960年に初版が出ているかなり古い本で、今出ているものも活版の原版から印刷されているような味わいのある本であります。

 これはもうタイトルがすべてを物語っている。日本語の文法でとても重要な要素としていわゆる「てにをは」というのがありますが、この本はその中の「は」を掘り下げるという内容。「は」は変幻自在なのでちゃんと理解していないと混乱しがちですね、という切り口の本なのですね。

 タイトルの「象は鼻が長い」という文の主語はなんでしょう。もちろん「鼻」。では「象」はなんですかね?

「わたしは男性です」の「は」と、「象は鼻がながい」の「は」は違いますが、どう違うのでしょう。これを正しく説明できる人には、この本は必要ないと思います。しかし、「あれ?言われてみればよくわからないぞ?」という人はぜひ手にとってみることをお勧めします。

 だいぶ古い本なので内容も最新の日本語に対応しているかと言えば当然対応はしておらず、当時誤用だったものが今は正しいとされているような表現も多いので古さは否めません。でもここに書いてある内容が間違いになったということはないので、やはり読めば得るものはあるでしょう。

 文法の話でよく目にする「てにをは」と「がのにを」。それらをつなぐものとしての「は」。この本はそのような興味深い視点で、深く深く、大量の例文を挙げながら掘り下げていくのです。もちろんここに書かれている内容を全部理解していなくても文章は書けますし、多くのプロの物書きは、これを全部説明することはできないでしょう。そういう意味で文章読本の範疇を超えた教養の書と言えるかもしれません。

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