RainyChannel 連動 文章読本紹介 その9

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 スタエフ連動企画「文章読本紹介、の紹介」の第九回。当該スタエフはこちら。

 今回紹介する本はこちら。

 この本は大変興味深い視点で、言葉を獲得した人類を、脳科学の観点から解きほぐしていくような内容です。最も近いとされる類人猿と比較しても全く異なっている「言葉」の獲得。過去の研究事例や通説の間違いを指摘しながら展開される議論は、文法とはなにか、言葉の意味とはなにかといった要素や、母語と第二言語以降のものがどのように異なっているのかといったことを説明していきます。

 思えば母語の「文法」はどのように獲得されるのか。これは非常に難しい問題です。語彙は記号論的に覚えることができ、これは犬なども飼い主の命令を聞き分けることから、比較的他の動物でも獲得できる。しかしそういった動物たちが音と状況を紐付けている仕組みは人間が持っている文法を持った言語構造とは大きく、かつ根本的に異なる。

 この本は難しい内容を平易な文で解説してあるため、通読するのはそれほど難しくはないと思います。しかし内容は深く高度であるため、こうした研究が行われており、まだはっきりとわからないことが多い、という事実を確認するような感覚です。

 わたしはこの本から多くの気づきを得て、これがいくつかの着想にも繋がりました。スタエフの方では内容からの引用も含めて面白い部分をピックアップしてみようと思うので、ぜひ聞いてみてください。

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